「死生観」のこと、ずっと「ししょうかん」だと思っていました。はぐれです。
最近形式的な文章ばかり書いているので、今日はちょっとエッセイ紛いのものを書いてみようかと思います。テーマは
《ここから格好つけた文体になります》
オタクは簡単に死ぬ。もちろん物理的に死ぬことはない。そしたら日本中がオタクの死体で埋め尽くされる。それどもオタクは1日に何人も死んでしまう。しかしその多くは「精神的に死ぬ」という意味の上で死んでいるのだ。
神絵師にフォローされた。死にそう
推しが尊すぎて語彙力が死んだ
嬉しくて死んだ
仰げば尊死
のようなポジティブな死から。
推しのイベント走れなくて死
原稿終わらない。圧倒的死
ライブチケット取れない死んだ
ハァ~~~~~~~~(クソデカ溜息)死
のようなネガティブな死もある。
とにかくオタクは見かけによらず精神が儚いのですぐに死んでしまう。しんでしまうとはなさけない。しかし、実際に死んでしまうオタクはほとんどいない。なぜなのか。ここまで死のオーラを撒き散らしてもオタクは生きるのはなぜなのか。
オタクは概念的な死と生を繰り返す生き物だからだ。
試しにTwitterで「まで死ねない」と検索をかけてみよう。ちなみにグーグルで検索をするとオタクには全く縁のない残酷な結果が出てくるのでお勧めしない。
待って、オタクの生命力強すぎ。
とにかくオタクは近い未来の「生」を求めている。来週のアニメ放映まで死ねない。来月のライブまでは死ねない。ガチャで推しを引くまで死ねない。
とにかくオタクは推しのために命を燃やし、そして推しのために命を繋ぐ生き物なのだ。矛盾している。そう、この矛盾こそがオタクの秘められた力なのだろう。
試しに生粋のオタクである筆者の命を繋ぐものを具体的に挙げ、寿命を延ばしてみることにしよう。ちなみに現在筆者は人生のどん底にいるため、その気になれば明日にでも死ねる状態と仮定しよう。
ハイキュー!!が完結するまで死ねない
『ハイキュー!! 』は週刊少年ジャンプで連載されているバレー漫画だ。ちなみに最近の連載終了ラッシュを受けて現在ジャンプ内で3番目の古参作品である(ワンピース・ハンターハンターがその前に来る)。現在までの連載期間は6年。私はこの作品をかれこれ4年間追っかけている。ぶっちゃけ4年も飽きずに追っかけていると、ピーク時の熱量はなくても作品がどのような結末を迎えるのか気になってしょうがなくなるのが世の常だ。知らんけど。
まあ言ってもジャンプ作品なので主人公のチームが優勝するのは決定している。決まり切った結末に向けての紆余曲折もスポーツ漫画の醍醐味だ。どうやって勝ち進むのか、その中での人間ドラマも楽しみだ。そして人気的にも打ち切りというのはほぼ100%有り得ないので確実に有終の美を飾ってくれるに違いない。
ちなみに現在の本誌では主人公らが最終目標としている「春高バレー」という高校バレーの全国大会に出場しており、作中ではもう3日目を迎える。現実の春高バレーは全5日間の日程なのでかれこれ半分過ぎてしまった。春高初日から3日目まで約8巻分、つまり単純計算で連載終了まであと8巻あまりしかない。これを年換算すると「1年3か月」で連載が終了となる可能性が極めて高い。
私の寿命は推定あと1年と少しだけ延ばされた。23歳である。
あんさんぶるスターズ!が完結するまで死ねない
『あんさんぶるスターズ! 』は女性向けのアイドル育成ソーシャルゲームアプリである。小説家である日日日がシナリオを務める人気作品だ。サービス開始から3年。私はこの作品を追っかけて2年になる。
この作品の特徴として、「登場人物たちの過ごす1年間のみを描写する」という制約がある。つまり4月から翌年3月までシナリオが進むとまだ4月に戻る、ループ物が大好きなオタクは涎でベチョベチョになること必至な作品なのだ。まあ過去編とか普通にやっているし未来編も示唆されているのであるようでないようなものだが。とにかく、これまで3年間のシナリオはたった1年間のために書かれたもので、これからもサービスが終了するまで1年間の物語を書き重ねることになっている。
つまり、時系列的には完結しているのに物語としては未だ完結していないのだ。これはまずい。一度このシナリオの虜になればもうプレイヤーもこのループから抜け出すことは出来ない。出来ないのだ。
とは言っても1年の物語を延々と書き続けるのは限界がある。現在、作中には40人近いキャラが登場しているが、既に彼らは週1のペースでイベントやライブに出演している状態なのだ。どう考えても私の命の前に彼らの命が散ってしまう。だからといってこれ以上キャラを増やしてもインフレを起こすだけだ。しかし実はこの物語、伏線をやたら回収し始めているし過去編も結構やっているので、サービス終了へのカウントダウンは始まっている可能性がある。女性向けアプリゲームは3周年を迎えれば御の字と言う噂も聞く。これまでの展開と、2019年のアニメ化や人気の度合いから見ても長くても5年以内にはサービス終了する可能性がある。
私の寿命は推定あと5年延ばされた。27歳である。
刀剣乱舞がサービス終了するまで死ねない
『刀剣乱舞』は刀が擬人化したキャラで戦うDMM提供のブラウザゲームだ。オタク業界に留まらず、博物館・美術館とのタイアップや企業とのコラボレーションも精力的な行うマルチジャンルである。サービス開始から3年。私はそれから4か月後に始めたのでほぼ3年追いかけている。
さて、このジャンルのメインはブラウザゲームなのだが如何せんゲームはしょぼい。申し訳ないがしょぼい。ぶっちゃけ2.5次元舞台やタイアップを楽しんだ方が100倍楽しい。しかし私はオタク出力の関係でゲームとアニメのみを楽しんでいる。つまり、いくらタイアップが充実していてもゲームが終わったら終わりなのだ。
ちなみにゲーム内容は推しを愛でて新しいキャラをひたすら入手するいわゆるキャラゲーである。ちなみに私はポケモンで言う「進化形」を除いて全キャラコンプ済みである。元からキャラ収集が目的なので今はまあ、やることはない。半引退状態である。しかし新キャラが来た瞬間、どんなに奇天烈なキャラでも水を得た魚のようにゲームに齧りつくだろう。収集癖のあるオタクの力はここで如何なく発揮される。そして、これから新キャラが登場するたびに私はキャラコンプに執心するだろう。これは前に上げた『あんさんぶるスターズ!』と比べてシナリオはほぼないのでそこに縛られることはない。キャラが作り出せれば半永久的に続くが、現実性がなさすぎるので長くても10年としておこう。願望が入っているとか言うな。
私の寿命は推定あと10年延ばされた。32歳である。
日丸屋秀和がいなくなるまで死ねない
日丸屋秀和は『ヘタリア』という国を擬人化した漫画作品の作者だ。この世に出てから12年。私は『ヘタリア』をかれこれ7年追っかけている。もう実質実家だ。マイホームだ。「いや、それなら『ヘタリア』が終わるまで死ねない」じゃないのか?と思った人もいるだろう。
それは違う。『ヘタリア』は時代に会わせて姿形を変える作品だからだ。古の個人サイトから始まり、幻冬舎の月刊コミック雑誌に移籍、そして現在はジャンプ+の週2連載という形になっている。その間にアニメ・ゲームなどのメディア展開も果たした。コミックが買えずとも、インターネットさえあれば作者のサイトで作品は見れる。そんな稀有な作品なのだ。しかしそれでもオタクは新しい展開を求める。だが現在、ヘタリアは休載状態だ。漫画サイトは競争社会。いくら名のある作品でも休載が続けばそのまま自然消滅ということもありえるだろう。
だがヘタリアのオタクはめげない。しょげない。なぜなら、日丸屋秀和が生きているからだ。『ヘタリア』を載せる媒体がなくなっても、それを描く本人がいれば本人のサイトやブログ・ツイッターで新規絵が見れる可能性が残っているし、本人がいる限りそのサイトは残り続ける。そう、日丸屋秀和がいる限り『ヘタリア』は不滅なのだ。『ヘタリア』はどの掲載媒体にも縛られない作品なのだから。
だが逆に言うと、日丸屋秀和がこの世から去れば、ヘタリアはもう2度と本人の手で更新されない。つまり、日丸屋秀和の死はヘタリアの死なのだ。日丸屋秀和は現在33歳だ。私より10歳年上である。日丸屋秀和は男性とされているので(公式からの性別は非公開)平均寿命は79歳、つまり単純計算であと46年は生きるのだ。
私の寿命は推定あと46年延ばされた。68歳である。
Fate/Protorype本編が制作されるまで死ねない
『Fate/Prototype』はPCゲーム『Fate/stay night』の元の作品である『旧Fate』のリメイク版である。詳しい説明はこちらの記事に書いてある。
さて、リメイク版ならもう物語はあるはずだと思ったら大間違い。『Prototype』には本編が存在しない。OVAしか存在しないのだ。なんだそれ。ふざけんな。奈須きのこめ、何が黒歴史だ。こちとらOVAと副読本だけで生きてるんだ。世に出したからには最後まで完成させてくれよ。そんな思いも公式は届かない。今は『Fate/Protorype蒼銀のフラグメンツ』のドラマCDの売り上げに貢献するしかない。そう、『Prototype』の本編が制作されるのは奈須きのこの采配次第なのだ。『Prototype』本編が制作される可能性は極めて0に近い。つまり、私は未来永劫『Prototype』本編を切望し続けるのだ。キッツ。
私の寿命は推定あと∞年延ばされた。∞歳である。
やっぱオタクは死ぬまで死ねないのだ。おしまい。